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出会いと別れ

『死別の悲しみに向き合う』のはじめに下のように書かれている。

死に別れることは、一部の人だけが運悪く経験するような特殊なできことではない。
 -中略-
いったい一年間にどれだけの日本人が死別を経験しているのだろうか。その数を明確に示すことはできないが、けっして少ない数でないことだけは確かである。

また同書では3世紀後半の西晋時代の潘岳という文人の詠んだ詩に触れている。
潘岳が愛妻を亡くした時に嘆き悲しんで詠んだ悼亡詩とうぼうしの一部である。

盧を望んでは其人を思い
室に入っては歴し所を想う
帷屏に髣髴たること無きも
翰墨には余跡有り
流芳は未だ歇くるに及ばず
遣挂は猶お壁に在り
悵怳として存すること或るが如く
周遑として忡えて驚惕す
ーーー
家を眺めては妻の姿を思い出し
部屋に入れば、ともに暮らした日々を思う
とばりや屏風のあたりにはもう妻は見えないが
筆のあとがまだ残っている
薫きしめた残り香は消えないで
着ていた衣服が壁に掛かっている
ぼんやりと、まだ生きているかと思い
はっと気が付き、驚きあわてる
(石川忠久訳)


今日もどこかで罪のない人々が亡くなっていることだろう。もし自分が大切な誰かを亡くした時に、病気で孤独になった時に、悲しみや苦しみを抱えながらも笑えるように、なんとか日常に戻れるように、私にとって力をくれる歌を忘れないように記事にしておこう。

『かたちないもの』(柴咲コウ)
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『Start』(Every Little Thing)
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国の中心で

殺害された友人の兄の奥さんが以前白血病を発症したと書いた。
最初は蓄膿症と診断されたが、彼女は納得がいかず、セカンド・オピニオンということで別の医師をあたったところ、急性骨髄性白血病と診断され即入院したそうだ。

医師の診断を受けて普通はそれを信じると思う。
何がそこまで彼女を納得させなかったのか、聞いてみたところ、『世界の中心で愛を叫ぶ』というドラマを見たことがあり、そのドラマでヒロインも侵される白血病の症状と酷似していたそうだ。
ドラマを放送していた時期からすると、10年以上前も話だ。
もう少し発覚が遅かったらどうなっていたかわからない。


競泳の池江選手が記憶に新しいが、競技に復帰して素晴らしいパフォーマンスを見せている。

その一方で、治療が及ばず亡くなった方もたくさんいる。
患者さんは抗がん剤治療中は無菌室で一緒に過ごしているため、交流ができる。
友人の兄の奥さんと同時期に入院していた若い方が少し前に亡くなったそうだ。
共に病気に苦しみ闘ったから、彼女も堪えたと思う。

ある人は回復しある人は助からない。何が違ったのか、何が悪かったのかこれといった答えは出ないと思う。
ただ通りを歩いていただけて知りもしない人間に殺害された友人の状況と似ていると思う。

そんなとき神のみぞ知るという言葉が頭をよぎる。たとえ原因があったとしても人間には到底理解できないだろう。
『なぜ私だけが苦しむのか』では著者は悪いことは時に理由もなく起こることもあるとしている。
その上で不公平で理不尽な現実にどのように折り合いをつけるのか。社会が助けてくれればいいのだが…。

コロナ禍といわれて早1年半ほど経過した。ワクチンができてもまだ終わりは見えない。
身を切る思いをするのは国民だと思う。国を動かす立場の人間は国民の税金によって支えられている。
がん細胞は最後には宿主とともになくなる。
繁栄を極めた国も生物も衰退する時が来る。
何かいい手はないものか。

ストレートジュース

最近ある資格試験を受けた。
数年前から試験を受ける当日はストレートジュースを1杯飲むルーティンとなっている。
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きっかけはとあるブログで紹介されていたことからだ。そのブログでは英語系の試験対策で、試験は午後から始まるため、試験会場に移動後の水分補給のおすすめとして紹介されていた。そのほかにも、試験の前日からの準備が紹介されているので、毎回参考にしている。

実際のところ、体調への効果はわからない。
しかも食物繊維が少なく、その割りに果糖が多いというし、結局衛生的な点から加熱殺菌をしているようなので、健康にいいかどうか微妙なところである。
たまにならということで、友人へお祝いとしても送ったりしたこともある。

以前は栄養的な面を考慮し、低速ジューサーというものを使っていた。理由はお手入れが面倒だっちめ、処分してしまった。いいものでも頻繁に使うとなると、管理も重要である。それで試験の時等特別な日にストレートジュースを飲むようになった。
モノを購入するときはそんなところも考えたようと思った。

ちなみに殺害された友人の兄は同時期に奥さんが白血病になったが、抗がん剤治療で持ち直した後、低速ジューサーでニンジンレモンリンゴのジュースを作っているらしい。
調べてみるとゲルソン療法*1というものがあった。野菜を多く採る食事療法である。
本当に効果があるのかはわからないので、紹介程度に留めておくことにする。

リンカーンとカワセミ

子供の好奇心はすさまじい。
すぐに新しいもの、見慣れないものを触りたがる。いつも回りをキョロキョロ見回し面白そうなものはないか探しているようだ。

殺害された友人も新しいものやサービスが好きで子供のような性格だった。
だから海外にも興味を持ち、留学をしたのだろう。
年を重ねても新しいことに挑戦し続けたい。

I am not concerned that you have fallen – I am concerned that you arise.
あなたが転んでしまったことに関心はない。そこから立ち上がることに関心があるのだ。

これはは第16代アメリカ合衆国大統領リンカーンの言葉だ。

彼はこうも言っている。

It’s not the years in your life that count. It’s the life in your years.
あなたの人生において大切なのは、年齢ではなく、いかに生きたかである。

志半ばだったが情熱的な人生を送ったと思う。


クラフトコーラを生産している伊良コーラさんという会社がある。
数十種類のスパイスを配合したくせになるコーラで、夏にぴったりだ。
伊良コーラさんのコーラボトルにはカワセミが描かれている。なぜカワセミをモチーフに選んだのか、それを知った時、リンカーンカワセミには共通点があると思った。

ユダヤ民話

以前、殺害された友人とともに亡くなったユダヤ人のことを書いた。
また『なぜ私だけが苦しむのか』という本を読み、ユダヤ人がいかにして苦難を乗り越えてきたのかについて興味を持った。

下記の本に紹介されているユダヤ人の民話にこのような話がある。
民話というのはどれも何か大事なことを伝えるような役割がある気がしてならない。

お静かに、父が昼寝しております――ユダヤの民話 (岩波少年文庫)

お静かに、父が昼寝しております――ユダヤの民話 (岩波少年文庫)

  • 発売日: 2015/12/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

腹を空かせたオオカミと知恵者のキツネ

腹を空かせたオオカミがキツネに楽に食料が手に入る方法を聞き実行するも、うまくいかず。
キツネの策略通りに井戸に落ちて上がって来られなくなる。
キツネはその後にライオンに鉢合わす。

ーーー

ここで物語は終わっている。
ユダヤ人に伝わる民話はこのように結末が描かれていないものまある。
この物語はどうなったのだろうか、何を伝えたいのだろうか。この話からどんなことを学べるか考えてみた。

まずは他人のアドバイスをそのまま鵜呑みにしてはいけないということ。特にお金が発生するような関係であれば、なおさら慎重にアドバイスをもらう人を選べということ。
一方で、人を騙せばその後自分も困難に出くわすということ。嘘や欺くことは必ずしもあとで露呈するという前提で行動したほうがよい。
その時に騙した人を仲間にしていたら一人よりも簡単に切り抜けられるかもしれない。

涙の起源-旧約聖書から-

知恵の実を食べ、エデンの園を追われたアダムとイヴが働くことの辛さを嘆き、神に涙をあたえてもらう話。
神曰く(下記『お静かに、父が昼寝をしております ユダヤの民話』母袋夏生編訳 より引用)

「知恵がもつ痛みとかなしみからおまえたちを守り、豊かなエデンの園で無垢のままずっとすごさせてやりたかったが、おまえたちは知恵をえらんだ。
知恵とともに、苦しみと痛みを、勤勉に努力して前進することを、自立して生きる苦労を、かなしみや絶望を知ることを、おまえたちはえらびとった。

~中略~

おまえたちは、自らの知恵で、苦しくてきびしい、だが、創造的で心おどる新たな世界を、エデンの園の外におまえたち自身で創りだすことをえらびとった。

~中略~

胸が痛み、魂が嘆きかなしむとき、大切な者が災難にあって苦衷に満ちるとき、胸がはりさけそうなかなしみにひたるとき、目から涙がこぼれ落ちるようになる。涙がおまえたちの重荷をといて、痛みをやわらげてくれるであろう」

ーーー

辛い時は泣いて悲しめば悲しむほどに、痛みと向き合うことが出来る、といわれている気がする。
「泣くこと 研究」で検索すると、泣くことの効用がたくさん研究されていて、多く共通して言えるのはストレスを低減できるそうだ。

犯罪の被害で辛い時には各都道府県の警察署に設置されている犯罪被害者支援室でカウンセラーを紹介してもらったりするといいかもしれない。
しかし最終的にはオオカミのようにならず、自分で自分を救おうとしないといけない。

夏に向けて

梅雨前だというのに最近暑くなってきた。
そこで夏に向けて色々とやっていることを書いてみる。

快適な靴を準備

ちょっとした外出の時に、裸足で履いても快適な靴を履いている。
LACOSTEからも同じように使える靴を出していて、もともとは妻が先に買っていたところ、使い勝手や履き心地がよかったということで、購入した。

Colemanのスリッポンとかスニーカーサンダルというのかな。
履いたり脱いだりしやすく、水に濡れてもすぐに乾くため不快感はない。
軽くてクッション性もあるので、歩きやすい。
そして何より通気性がいいので、夏でも足元が涼しく快適である。
Colemanはアウトドア用品メーカーだから、川とか湖でのレジャー用を想定しているのだろう。クロックスに似てるが、スニーカーのような外観をしているので、普段から街でも使えると思う。

果実シロップ

毎年、夏には果実と氷砂糖で果実シロップを作っている。
入れ物はスーパー等にも売っている。長期保存果実酒びんを使用。↓これは6個セットだが、1個から売っているはず。

作り方はAmazonのサイトだったり、クックパッドにも多くのっている。
びんをよく洗って消毒し、果実酒と氷砂糖とレモン汁または、りんご酢等を入れて氷砂糖が溶けるまで、冷所に保管。
作り方も簡単で暑い日にキンキンに冷やした炭酸水で割って飲むと、とてもおいしい。

民族による社会の仕組みの差

友人が殺害された事件では、他に5人の方が亡くなり、数十人が負傷した事件だった。
亡くなった被害者の中にユダヤ人の子供がいた。
現地のユダヤ人は遺族のために基金を立ち上げた。
一方日本人の友人の遺族のために現地の日本人は何をしたのか。もちろん何もしてないからといって、責められるいわれはない。

ただ、どこか日本人は自己責任でしょという感覚があるのではないかという気がする。自分もそうであるから、大きな声では言えないが。
逆に遺族の立場になると、同じく現地が祖国ではないユダヤ人と比較して、いかに現地の同胞が遺族である自分達に無関心であるかと感じることと思う。

それと同時にユダヤ人の社会が弱い立場の同胞を助けるような仕組みができていることに感心する。

逆に言えばユダヤ人は祖国を追い出されたため、国による保護がなかったからかもしれない。日本の場合は、社会保障等が、ある程度は機能しているのでそのような意識は芽生えなかったのかもしれない。

しかし、不安をいたずらに煽って不必要な保険を契約させたり、投資者に不利な投資契約させたりすることが行われていて、それもノルマなどの社会の仕組みがそうさせているのであれば、まだまだユダヤ人社会に比較し日本の社会は未熟であるといわざるを得ない。ユダヤ人は同胞からは利息を取らないようだ。

映画『殿、利息でござる!』

殿、利息でござる!

殿、利息でござる!

  • 発売日: 2016/10/05
  • メディア: Prime Video
で、金貸し屋が借りた金を返せずに夜逃げする大工に、「お前さんが悪いんじゃない。社会の仕組みが悪いんだ。これで生活を建て直しなさい。」といって、今まで返済していた金を返して送り出すシーンがあった。重い年貢だった昔から生かさず殺さすの近代、そして現代と少しずつ良くなっていると思う。
むしろ今は国よりも保健屋や銀行、不動産屋に注意したほうがいいのかもしれない。