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国の中心で

殺害された友人の兄の奥さんが以前白血病を発症したと書いた。
最初は蓄膿症と診断されたが、彼女は納得がいかず、セカンド・オピニオンということで別の医師をあたったところ、急性骨髄性白血病と診断され即入院したそうだ。

医師の診断を受けて普通はそれを信じると思う。
何がそこまで彼女を納得させなかったのか、聞いてみたところ、『世界の中心で愛を叫ぶ』というドラマを見たことがあり、そのドラマでヒロインも侵される白血病の症状と酷似していたそうだ。
ドラマを放送していた時期からすると、10年以上前も話だ。
もう少し発覚が遅かったらどうなっていたかわからない。


競泳の池江選手が記憶に新しいが、競技に復帰して素晴らしいパフォーマンスを見せている。

その一方で、治療が及ばず亡くなった方もたくさんいる。
患者さんは抗がん剤治療中は無菌室で一緒に過ごしているため、交流ができる。
友人の兄の奥さんと同時期に入院していた若い方が少し前に亡くなったそうだ。
共に病気に苦しみ闘ったから、彼女も堪えたと思う。

ある人は回復しある人は助からない。何が違ったのか、何が悪かったのかこれといった答えは出ないと思う。
ただ通りを歩いていただけて知りもしない人間に殺害された友人の状況と似ていると思う。

そんなとき神のみぞ知るという言葉が頭をよぎる。たとえ原因があったとしても人間には到底理解できないだろう。
『なぜ私だけが苦しむのか』では著者は悪いことは時に理由もなく起こることもあるとしている。
その上で不公平で理不尽な現実にどのように折り合いをつけるのか。社会が助けてくれればいいのだが…。

コロナ禍といわれて早1年半ほど経過した。ワクチンができてもまだ終わりは見えない。
身を切る思いをするのは国民だと思う。国を動かす立場の人間は国民の税金によって支えられている。
がん細胞は最後には宿主とともになくなる。
繁栄を極めた国も生物も衰退する時が来る。
何かいい手はないものか。