万物は流転する
樹木は生育することのない
無数の芽を生み、
根をはり、枝や葉を拡げて
個体と種の保存にはありあまるほどの
養分を吸収する。
樹木は、この溢れんばかりの過剰を
使うことも、享受することもなく自然に還すが、
動物はこの溢れる養分を、自由で
嬉々とした自らの運動に使用する。
このように自然は、その初源から生命の
無限の展開にむけての序曲を奏でている。
物質としての束縛を少しずつ断ち切り
やがて自らの姿を自由に変えていくのである。
この詩はみなとみらい駅で見ることができます。その壮大さに驚きと言葉の美しさに長いエスカレータに乗る時間も短く感じます。
万物は流転するというのは古代ギリシアのヘラクレイトスの言葉ですが、同じようにこの世のすべてのものは常に変化していくということと、その儚さを見事に表現していると思います。
今はもうない思い出の場所を通りかかったときに、寂しいような懐かしいような気持ちになります。その時見たもの、遊んでいる友人の声、吹く風の匂い等はもう二度と体験することはないけれど、たしかにその時そこに存在しているのだと思います。